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薬で治す歯周病治療

薬で治す歯周病治療


歯周内科〈バイオデントキュア〉とは

これまで、歯の治療といえば、すべて口の中の汚れを落としたり、むし歯菌に侵されたところを機械で削ったりと、基本的には「外科的治療」がメインでした。

しかし、当院で扱う歯周内科〈バイオデントキュア〉は、スケーリングなどは従来どおり行いますが、菌の力を弱めつつ、歯みがきなどの効果を高めるために、薬を飲むところが内科と称する所以。つまり、内科的治療を行うことで、歯周病や虫歯ひいては全身疾患の予防に役立てるわけです。

歯周病菌が原因で引き起こされていると懸念されている全身疾患は、かなりの数にのぼります。
たとえば、寝たきりの方は歯の衛生も行き届かないことが多く、口の中には歯周病菌が多く繁殖しているのが普通です。汚れたままの歯や入れ歯についた歯周病菌が原因で誤嚥性肺炎を起こす、といったケースも考えられるわけで、そうなると、やはり歯周病対策は必須といえます。

そうした全身の病気と歯周病との関わりを見極め、早めの対策を講じる一助とするためにも、抗菌剤などの薬を使って予防をすることが有効なのです。

歯周病予防は歯石取りだけではない

歯周病は歯石取りだけではない
歯周病予防を含めたお口の健康のために、定期的に歯石除去で歯科医院に通う方は確かに多くいらっしゃいます。これをPMTCといいます。ただ、それは、あくまで予防やインプラント後などの普段のケアの範囲を出るものではなく、治療のほんの一部であるとしかいえません。

何度も説明しているように、歯周病は菌が引き起こす病気です。しかし、数カ月に一度歯石を取ったからといって、それで安心していては、歯周病はよくなるどころか、状況によっては悪化してしまうこともあります。

そこで、〈バイオデントキュア〉のような細菌退治の度合いの高い治療を行うことで歯周病、さらには全身疾患への心配がぐっと減るのです。

歯周病は、抗菌内服薬と除菌うがい剤による治療で

口内の治療〈バイオデントキュア〉は約1~2週間の集中治療で行います。
①検査で細菌がいた場合、さっそく治療
まず、正しいブラッシング方法の指導を受けていただいたあと、抗菌内服薬、専用歯みがき剤、ブクブクうがい薬の3点をお渡しします。
使用法は以下のとおりです。

〈内服薬(飲み薬)〉
その晩から、1日1回、就寝前に服用。すべての菌を殺す力はありませんが、菌の力を弱め、菌が持つ菌膜を破壊してくれます。菌膜は、歯周病菌のよろい・かぶとなので、菌膜を破壊すると菌の力を弱めることができる抗菌薬です。

〈専用歯みがき剤〉
スポイトで1メモリを口内にたらし、舌でなめて広げます。(ゲル状のものもあります。)口内のカビ菌を退治するものです。
習ったとおりに歯ブラシで歯みがきをしてください。唾液が出て、口の中がいっぱいになったら吐き出します。その後、市販のデンタルフロスや歯間ブラシなどを使ってしっかり汚れを落とします。

〈ブクブクうがい薬(次亜水という消毒液)〉
10mlを口に含み、20秒ほどよくうがいをしてから水ですすいで終了。
これを毎食後、3日間~1週間しっかり続けてください。
②4日~1週間後、検査
その結果として菌がコントロールされている状態だと確認したうえで、PMTC(歯科衛生士による腔内クリーニングのメンテナンス)ないしは歯石除去を実施。歯周ポケットの深さや歯の動揺度(ピンセットでつまんで動くかどうか)の計測も行います。
③本当の
口内を衛生にすることは、検査(ポケット測定)による菌が血管に入り全身へ散るリスクを防止することができるのです。
だから本来口内が不衛生な状態で検査(ポケット測定)をするのは、本当は危険なのです。
④さらに約1週間後、再検査
菌類がいなくなり、歯周ポケットが浅くなっていれば、治療の効果あり。今後に向けてのメンテナンスの相談を。まだ菌がいる場合は、①から再トライしていただきます。もし、縁下歯石(歯肉より奥にたまっている歯石)があれば、その後の処置として取り除きます。

〈バイオデントキュア〉治療の注意点

  • 内服薬の有効期間である1週間以内に②まで終了し、最初の再検査までの期間を1クール(1まわり)約2週間以内で完了することを目指しましょう。
    もし、治療が途中で中断されると、最初からやり直しになります。無菌の新品のブラシが必要です。また、1回で効果が認められない場合にも、2回目の治療をおすすめします。
  • 〈バイオデントキュア〉を行う際には、歯ブラシまたは電動歯ブラシのヘッドブラシを新品に交換してください。
    以前のもののままだと、菌が残ってしまいます。なお、1回の治療に2時間近くかかる場合がありますので、時間の余裕をもって来院をお願いします。
  • その後、重度だった方で1カ月に1回、軽度の方で3ヶ月~半年に1回、PMTCを行っていただきます。
    〈バイオデントキュア〉治療で得た効果を持続し、再感染を防ぐためにもこれは必要です。また、自分だけでなく、家族やパートナーについても口の清潔を働きかけましょう。歯周病やむし歯は、人から人へうつる感染で起こります。
  • むし歯やそのほかのトラブルがある方は、菌が増えたり、口内が酸性に偏りがちなので、事前にそちらの治療をしっかり行います。
    その後〈バイオデントキュア〉治療に入ります。
    本来治療の開始には、このバイオデントキュアを受けるのが理想的です。

治療料金

〈バイオデントキュア〉は自費診療です。

内服薬などの3点セット込みで、一式30,000円(税別)~90,000円(税別)。

重度の方で、チェックのあとにスケーリングなどの処置が追加で発生した場合、1処置につき15,000円(税別)ずつ加算されます。

さらに、マウスピースで薬を浸透させるといった方法の場合、マウスピース代1顎10,000円(税別)、上下顎20,000円(税別)となります。

次亜水は3,000円(税別)、歯ブラシは別途料金となります。

歯周病の外科治療について

歯周病も軽度なら、抗菌内服薬を使用し、しっかりした口のケア、つまり内科的治療で済ませることが可能です。

ところが、歯周ポケットの底のほうの、歯肉の奥にまで縁下歯石がついていたりすると、これはいわゆる外科的処置で取り除くしかなくなります。もちろん、麻酔を施しますし、それほど時間が長くかかるものではないので心配はいりませんが、このときに口中の細菌が身体の中に入り込む可能性も否定できません。

さらに、歯周病で最悪のケースは、あごの骨が溶けて、歯を支えられなくなり、抜歯しなくてはならなくなること。これこそ口腔外科の手術ですから、術中の細菌感染から予後のケアまで、まさに感染予防策が必要です。

こうした外科的治療についても、やはりまずは口の中の細菌の数を減らし、きれいな口にしておくのが最優先事項であるのはいうまでもありません。

自分でチェック、健康な状態って?

歯医者からいわせれば、患者さま自身が、歯ぐきの健康な状態を理解していないことが多いようです。

実際、歯や歯茎を鏡でじっくり観察したことはありますか?
それを知らなければ、いまの状態がどれだけ悪いのかも知り得ないわけで、自覚症状が出ない軽度の歯周病だけでは、歯科医院に行かない患者さまが多いのもそのためでしょう。

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そうやって、常に口の中をきれいにしておこうという意識を向けることが大事なのです。
問い合わせ TEL 054-272-6480